Re;

最終話。(ところどころ追記)

ゼロレクイエムの結末も、ルルーシュが世界の憎しみを全て引き受けようとしていることも、ルルとスザクの約束の内容も、予想していたけれど…予想通りだったけれど…
この最終話ほど視聴者を裏切って欲しいと思ったことは無かったです。
ロイドさんたちもこのことを知っていたから、シュナイゼルから離反してルルーシュに就いたんですね。ジェレミアもルルーシュの思いを正しく汲み取っていたから、主君が死地へと向かうあの場に協力したんですね。
どこかでちらっと読んだ「ブリタニア史」に第99代皇帝は暴君だったという記述があるけれど、以前「虐殺皇女の名を塗り替える」といっていた、このことなんだな。
世界中の憎しみを自分に集めさせて、その憎しみの象徴である自分を人々の希望の象徴である「ゼロ」に殺させることで世界を開放する。ある意味納得ではあるんだ。けれどルルーシュが死なない方法はなかったんだろうかとどうしても思ってしまう。
協力してくれていた人たち以外、最後の瞬間までルルーシュとスザクの本当の目的を知らされていなかったことも、二人の決意があまりにも悲しすぎて…
ゼロとなったスザクがルルーシュに剣を向けていたとき、やめて欲しいと本気で祈ったよ…確かにスザクはユフィの仇を討てた。けれどあの時点でスザクはもうそんなことは望んでいなかったはずなんだ。だってスザク泣いてたもの…。けれどやらなくちゃいけない。ここまできてしまった世界のために。
「撃っていいのは撃たれる覚悟があるやつだけ」だからルルーシュは世界に討たれる覚悟をした。ルルーシュは憎しみの象徴としてゼロに殺されることで、罪を永遠に背負う罰を受けた。ギアスの力で奪ってきた多くの命の代償として。世界の明日のために。笑みさえ浮かべながら、スザクの剣を受けるルルーシュ
世界にも、ナナリーにも、騎士団にも、嘘を吐き通すことでスザクとの約束も守った。巨悪をもって悪を倒し人々を明日へ導いた。それはとても悲しくて不器用な方法だったけれど。
涙を流しながらその剣でルルーシュを貫くスザク。スザクは「ゼロ」として一生仮面を被り続けることで罰を受け続ける。友達を殺した罪も背負って。自分の意志で死ぬこともできない「生きろ」という呪いとともに、ルルーシュの最後のギアスを受け取った。
「枢木スザク」が先の戦闘で戦死したことになっているのも、シュナイゼルに「ルルーシュ」ではなく「ゼロ」に仕えろギアスをかけたことも、このための布石だったんだね。
二人は「親友」で「共犯者」なんだね。

ルルーシュの最初の望みは、ナナリーと平和に暮らしたい。そんなささやかなものであったはずなのに。いつの間にこんなに大事になってしまったんだろう。

「ゼロ」が現れたとき、カレンも神楽耶もルルーシュの本当の目的に気付いた。
コーネリアも星刻も、ルルーシュがゼロだったことを知っている人たちは、ルルーシュとスザクの本当の目的に気付いてくれたと思いたい。
ルルーシュは悪逆非道の皇帝として世界の歴史に刻まれる。それが事実。
でもその中の何人かは真実を知ってくれている。それがせめてもの救いなのかな。
この物語りは、世界中の大多数の人にはハッピーエンドかもしれないけれど、少なくともナナリーとスザクにとっては辛い結末ですね。

EDイラストで崩壊した玉座に座っているルルとスザク。赤い幕が血のようだと思っていたのは、この結末の血濡れの玉座を象徴していたのでしょうか。

ルルーシュの遺体は静かな場所に眠っているんだろうか…


後半はルルのことを言いたい放題言っていた扇さんですが、「ゼロ」が「皇帝ルルーシュ」の前に現れたときはさすがに判ってくれたよね?ルルとスザクの想いと決意と願いをしっかりと受け止めて、首相として今度こそしっかりとして欲しいもんです。
そしてナナリーは、ユフィとルルーシュとスザクの遺志を「ゼロ」と共に継いでいくことでしょう。
彼らが命を捧げて築いた「明日」をどうか繋げて行って下さい。



ああでもこれだけショックを受けておきながら、ルルが世界征服を宣言しているその後ろで崩れ落ちているカノンさんが色っぽいな〜とか思ってたことも事実…(苦笑)





でもこれってシャルルとマリアンヌの身勝手のツケをルルーシュがその命で払ったとも言えなくもない気がする。
彼らがギアスの力で世界をどうこうしようとしなければ、ブリタニアの世界侵略もなかったし、マリアンヌも殺されなかったろうし、ルルーシュたちが日本へ送られることもなかった。そうしたらスザクと出会うことも親友になることもなかったろうけれど、ルルはC.C.と出会わなかったし、出会う必要もなかったし、ギアスの力を必要とすることもなかった。日本とブリタニアの戦争もなければスザクは父親を殺すこともなかった。
誰も罪を負うことも罰を受けることもなかったんだ。
それぞれの国で、それぞれの立場で、それなりに「幸せ」であれたはずなんだ。

…そんなこと言ってしまったらこの物語は始まらないんだけれどね…